抱えた荷物を減らす方法

2021年02月10日


今日の午前の往診中のこと、

「先生、腸の炎症ってどういうことなんかな?」


患者さんのおじいちゃんに仰向けで寝てもらい脈を診ていると、こんな質問を受けました。


そのおじいちゃんは最近お腹の調子が悪く、昨日病院に連れて行ってもらったそうです。


病院の先生に「腸に炎症がおきてるなぁ」と言われてお薬を処方してもらいましたが、先生が忙しそうだったので疑問に思っても聞きにくかったとのこと。


ひとことで炎症といっても、細菌やウィルスに感染したのか、免疫の異常なのか、腸の動きの異常のせいなのか、原因は様々で特定するのは難しいです。


「原因はいろいろだけど、腸の粘膜が傷付いて腫れたような状態になってるんですよ」


「最近、便秘と下痢が交互にきていたから、それが原因かもしれませんね」


とお答えしたら、フンフンと頷いておられました。


炎症ってよく聞く言葉ですが漠然としているので、患者さんからすると案外どういう状態なのかわからないものです。


そして聞こうと思っても遠慮してしまったり、どう聞いたらいいのか分からなくて結局聞けなかったりしてしまうのです。


こういうケースはおじいちゃんおばあちゃんだけではなく、妊活患者さんにもよくあります。


色々検査をしたけれど、検査用紙の見方がいまいち分からない。

この検査を受けてみたいが、先生から話がでないのは必要ないから?

前回の刺激で卵が育たなかったけど、今回も同じ刺激でいいのかな?


などなど


先生が忙しそうで聞けなかったとか、聞こうと思っていたのにその時になると焦って頭から抜けてしまうと仰って、ここで聞いてくださる方もおられます。


今までの経験や婦人科の知識でわかることはお答えしていますが、治療方針のことなど、最終的に病院に聞いていただくことになることは、

「こういう風に聞いたら分かりやすいですよ」みたいなアドバイスをしています。


確かに病院の先生はお忙しそうで(実際とてもお忙しいでしょうが)、なかなか質問しにくいかと思いますが、質問すればきっと答えてくださいます。


万が一そこで邪険にするような先生がおられたら、今は忙しいんだな、と少し距離をおいて他の先生の意見を仰いでもいいと思います。

同じクリニック内でも先生によって得意な分野や意見が違うことがありますので、いろんな意見を参考にして自分に合う先生を見つけるのも良いと思いますよ。


私が今までお会いしたことのある産婦人科の先生は、お忙しくとも患者さんのことを真剣に考えておられるかたばかりでした。

だから、忙しいかもと思っても聞いてみてください。

きっと親身に応えてくださると思います。


それでも聞けない、病院では聞きにくいことがある時は、よければ私に聞いてください。

私もささやかながら、今までの経験と知識をフル動員してお答えします。


妊活はひとりで抱え込まずに、いろんな人の手を借りて、抱えた荷物を減らしていきましょう。