わかっているけど
夏らしい日になってきました。
この夏休み感のある空気が好きなので、仕事中もちょっとバケーションな気分になります。
往診ではご高齢者さんのお宅に行くことが多いので、なおさら「帰省でもしたかな?」感があります。
施術の後に患者さんとちょっとお喋りをすることもあるのですが、
この前ある患者さんが、通っているデイサービスの壁に飾っていた川柳の写真を見せてくれました。
サラリーマン川柳とかもそうですけど、最近の川柳ってみんなのあるあるが上手く表現されてて面白いですよね。
それはご高齢者さんあるあるの川柳をいくつかまとめたものでした。
その中で「病院で長時間待って付いた診断名が、加齢。」みたいな内容の句があったんですが、
これって案外よく聞く話で、「年のせいだから」「みんなこうなるから」と言われたと、
色んなところで耳にします。
もちろん加齢によって起こる体の変化はありますし、
誰だって老いていきます。
それは散々言われ続けてわかっているのだけど、私たちは多分、それが聞きたいわけじゃないんですよね。
その患者さんが川柳を見せてくれる前に、
「不整脈の手術をこの前したけど、それでもたまにドキドキする感じがする。ペースメーカーを入れてるし大丈夫だとは思うけど、先生に言ったら年のせいだって言われた。それは分かってんねんけど、何か対策とか聞きたかってんけどなぁ…」と呟いていました。
年のせいなのはわかってる。
だけど、それでも何か出来ることがあるなら知りたい。
そんな気持ちで話をしてくれたのかなと思い、
「ドキドキしてきたら、ゆっくり息を吸って、時間をかけてゆっくり息を吐いてみてね。」
「呼吸は自分でもコントロールできることだから、やってみてね。」
と、自分の中で言えることをお伝えしました。
それで全てが解決する訳ではなくても、何か一言、前を向いたり、寄り添った言葉があれば、
私たちの気持ちって少し軽くなるんじゃないかなと思います。
だからこそ、これまで以上に、
誰かにかける言葉も、自分にかける言葉も大切にしたいですね。
そんな感じのことを、ちょっと思いました。
それでは、良い週末を。