不妊治療の保険適用について思うこと

2022年01月28日

何日か前に、不妊治療に対する保険拡大の新しい情報が公開されましたね。

ネットニュースで見た時は「内容そんだけかーい」と思いましたが、

中医協の資料も公開されたので、もそもそと読んでみました。


4月から保険適用になるのは、


・人工授精

・AMH検査(6ヶ月に1回、採卵周期で)

・採卵

・体外受精/顕微授精

・胚培養

・胚移植

・アシストハッチング

・高濃度ヒアルロン酸含有培養液

・胚凍結保持

・Y染色体微小欠失検査

・精巣内精巣採取


PGT-Aは保険適応にはならなかったですね。

あとは先進医療になるかどうか。


あと、採卵は個数によって点数が決まっているみたいです。

でも10個以上は一律なので沢山採れても10個分までの金額で良いと。

培養も凍結も同じ扱いです。


各治療に関わるお薬なんかは、全てが保険適応になるのか、

一部使えないものがあるのかはまだ分かりません。


病院も保険者も、バタバタの新年度スタートになりそうですね。


今回の改訂は、言い方は悪いですが、妊活をしている全ての人にベストなものではありません。


これから子供を持ちたいと考えている、適用範囲内のカップルであれば良いかもしれません。


まだはっきりとはしませんが、もし助成金を使い切った状態の方でも、

もう一度健康保険も使えるとなればとても助かると思います。


一方で、保険の効かない治療を希望していて、結果併用を諦めるか、全額負担になる人には助成金のほうが助かったでしょうし、

そもそも対象の年齢でなかった場合は今までと状況は変わらないし、むしろちょっと心がざわつくような出来事であったかもしれません。


私が不満を言っても仕方ないですが、

トータルで言ったらちょっと損なひと結構おるんちゃうん…とモヤっとしてました。


もやりもやりと数日過ごして思うのは、


今回の改訂はクリニックにとっても大変な変化(システム的にも経営的にも)であるにも関わらず、

治療の質を下げないようにベストを尽くしてくださるところが沢山あるだろうということ。


お金の負担が減った方がもちろん助かるけれど、それがあろうとなかろうと、妊活を頑張っている人が沢山いるということ。


どちらの努力にも、とても力強さを感じます。


制度のどうこうは、これからも課題ではあると思いますが、

どんな状況でもベストを尽くそうとしている人がいる以上、

私もモヤモヤを抱えてテンションを下げ続けているよりは、

自分にできることを、なるべくフラットな気持ちでやり続けることが大事だよなぁ、


と数日かかってようやく思えました。


鍼灸も、施術者のコンディションはやっぱり大切です。


大きな変化の裏でも、変わらずに動き続ける方々に意識を向けると、

なんとなく頑張る勇気をもらえますね。


数日かかって、こんな事を考えておりました。

私の思考はゆっくりめです笑


全員にベストではないにせよ、この改訂がなるべく沢山の人のチャンスになりますように。